一級建築士事務所 株式会社ワプル

木造耐火構造についてFIREPROOF WOODEN BUILDING

以前は防火地域の耐火住宅というと、鉄骨造や鉄筋コンクリート造が主流でした。
しかし鉄骨や鉄筋コンクリートは建築費が高く、
建築自体を諦めていた方も多かったのではないでしょうか?
そこでワプルがおすすめするのが、木造耐火建築です。
防火地域でも木造3階建・木造4階建が建てられるため、住まいの選択の幅が広がっています。

※掲載資料:吉野石膏HPより引用

1防火地域

防火地域建物の密集する都市部では、火災による甚大な被害を防ぐため、「防火地域」や「準防火地域」が指定されています。建築基準法により、これらの地域では、階数や規模の区分に準じて、建築物の構造や性能は、定められた基準を満たすことが必要とされます。 特に防火地域では、延べ床面積が100平米を越える建物、3階建て以上の建物については耐火建築物でなくてはなりません。

木造耐火の用途と地域区分

図:木造耐火の用途と地域区分

2木造耐火建築物

木造耐火建築物 (最上階から数えて4階以内の場合)木造耐火建築物とは、主要構造部が耐火構造であるもの、または耐火性能検証法等により火災が終了するまで耐えられることが確認されたもので、外壁の開口部で延焼のおそれのある部分に防火戸等を有する建築物のことをいいます。

木造耐火の6つのメリット

  • 狭小地に適しています

    木造耐火なら、RC造・S造などの他の工法と比べて部材が軽いため、大型クレーンなどの重機を使用せずに建設が可能。
    比較的割安に取得できる旗竿敷地、狭小地に柔軟に対応できます。

    イラスト:狭小地住宅
  • 優れた断熱性能

    〈熱貫流率(熱の伝わりやすさ)の比較〉

    図:熱貫流率(熱の伝わりやすさ)の比較

    ※枠組壁工法(告示仕様)のU値は、QPEX2.0で算出。通気層から外側は計算に含まない。木部の熱橋部分の影響は算入済み。

    木造耐火構造は断熱性能に優れます。

    室内の温度変化が小さくなるので、冷暖房のランニングコストの節約が可能です。

  • 減価償却期間が短い

    木造はRC造やS造よりも年間の減価償却費を多く経費計上する事が可能。

    図:減価償却期間構造別比較例

    また、税制上のメリットもあります。

    ※病院を新築する場合(減価償却期間は税務署の判断により異なります)

  • 木造ならコストダウンに役立ちます

    〈建築コストの比較(例)〉
    (1000~2000㎡の建築物)

    図:建築コストの比較例

    資料:横浜市「公共建築物における木材の利用の促進に関するガイドライン」をもとに作成

    コストダウンに役立つ点
    ・木造はプレカット技術を使うことができ、工期短縮が図れます。
    ・木造は重量が軽く、基礎・地盤工事が軽減されます。

  • CO2を削減

    木材を使用することでCO2の削減につながるなど、企業にとってはCSR向上にも有効です。
    また、地域産材を使用することにより産業活動の活性化が期待できます。

    住宅1棟を建設する際の
    構法別製造時CO2排出量(kg-CO2)

    図:住宅1棟を建設する際の 構法別製造時CO2排出量(kg-CO2)

    ※床面積約125㎡の場合
    資料:建設時における木造住宅の二酸化炭素排出量(ウッドマイルズ研究会)をもとに作成

  • 選ばれる"やさしい木の家"

    今後、住宅を建てたり、購入する場合の工法について、8割近くの人が木造住宅を選びたいと答えています。木材のぬくもり、リラックス効果など様々な魅力が知られています。

    イラスト:家族と住宅

    資料:内閣府「森林と生活に関する世論調査」をもとに作成

COLUMN

3「木はほんとうに燃えにくい?」

「金属は火に強く、木は弱い」というイメージがあるかもしれません。しかし、火災による「強さの低下の程度」は、はじめの強さの60%になるまでに、木材だと15分以上もつのに対し、鉄はわずか4分ほど、アルミニウムでは3分ほどしかもたないということを示しています。
鉄やアルミニウムは火災の熱によりぐにゃりと変形するのに対し、一定以上の太さの木材は燃えても、表面が炭化した層を作り、酸素の供給が断たれることで、芯の部分は燃えにくくなるのです。木造住宅の火災現場跡で、骨組みだけが残っているはこのようなわけです。

4木造で耐火建築物が建てられるようになりました

平成12年 建築基準法改正により性能規定化
→ 耐火建築物であっても木造で建築することが可能に
平成16年 (一社)日本ツーバイフォー建築協会が耐火構造認定取得
平成18年 (一社)日本木造住宅産業協会が耐火構造認定取得
平成22年 公共建築物等木材利用促進法が施行
→ 低層の公共建築物については原則として全て木造化を図ることに
平成24年 当社とニチハ社共同で「タイガーモエンEX-B1」の認定を取得
平成25年 当社が「デラクリート仕上げ外壁耐火システム」の認定を取得
平成26年 木造耐火に関する初の告示(国交省告示第861号より)
→ せっこうボードを用いた木造耐火構造の外壁と間仕切壁の仕様が告示化
平成27年 当社とニチハ社共同で「タイガーモエンEX-B2」の認定を取得

5木造耐火建築物は年々増加

木造耐火 大臣認定仕様の使用承諾書発行状況 (2協会累計)

図:木造耐火 大臣認定仕様の使用承諾書発行状況 (2協会累計)(一社)日本ツーバイフォー建築協会および、(一社)日本木造住宅産業協会資料より作成。2016年3月末までのデータ

6強化せっこうボードの被覆で木造耐火構造が可能

耐火建築物は、主要構造部を耐火構造とすることで、火災終了後も建物が倒壊せず、自立し続ける性能を有することが求められます。
木造耐火建築物では、木構造部分を強化せっこうボードで被覆することで、木構造を通常火災から守ることができます。※

図:強化せっこうボードの被覆

※被覆型で木造耐火構造とする場合

7国産木材の利用が促されています

8高層木造耐火建築物へのチャレンジ

写真:英ロンドン世界を見渡すと、 英ロンドンで80階建ての木造高層タワーを建設する計画が発表されるなど、木造建築ブームが世界的な広がりを見せています。ロンドンのタワーは建設許可が下りれば同市初の木造高層ビルとなるほか、世界一高い木造建築になるようです、またカナダでも大学の学生宿舎を木造で建設する計画が進んでおり。高さ約53メートルの18階建てビルとなる予定。日本の耐震基準上まだまだ日本での耐震性のハードルは高いものの、ワプルは多数の木造耐火建築物の実績から日本での高層木造建築物にチャレンジして行きます。

ワプルの家づくりについての資料請求はこちら